「やりたいことを仕事にしよう」

「好きなことを見つけよう」

「本当にやりたいことを探そう」

そんな言葉を聞くことがあります。

でも、

「そもそも、やりたいことが分からない」

という人も多いのではないでしょうか。

自分が何をしたいのか分からない。

今の仕事を続けていいのか分からない。

転職したほうがいいのか迷っている。

何か新しいことを始めたい気はするけれど、何をすればいいのか分からない。

そんな状態になると、

「自分には夢がない」

「情熱がない」

「何もしたいことがない」

と、自分を責めてしまうことがあります。

でも、僕は、

「やりたいことが分からない=自分が何も持っていない」

とは思いません。

「何をしたいか」

を考える前に、

「どんなふうに生きたいのか」

を考えたほうが、自分の進みたい方向が見えてくることがあります。


「やりたいことを仕事にしよう」と言われても分からない

「やりたいことを仕事にしよう」

という考え方は、とても魅力的です。

好きなことを仕事にできたら楽しそう。

得意なことを仕事にできたら、自信を持てそう。

毎日ワクワクしながら働けたら素敵。

そう思いますよね。

でも、

「あなたのやりたいことは何ですか?」

と突然聞かれたら、すぐに答えられる人ばかりではありません。

むしろ、

「分からない……」

となる人のほうが自然なのかもしれません。

なぜなら、

自分が本当にやりたいことなんて、実際に経験してみなければ分からないことも多いからです。

まだやったことのない仕事を、

「これは自分が一生やりたいことだ!」

と確信するのは難しい。

やってみたら意外と楽しかった。

やってみたら、思っていたほど好きではなかった。

そんなこともあります。

だから、

「やりたいことを一発で見つけなきゃ」

と考えなくてもいい。

「ちょっと気になる」

くらいのものを試していくことも、自分を知るための大切な方法です。


やりたいことが見つからないときに考えたい「価値観」

「やりたいこと」が分からないときは、

「何をしたいか」ではなく、「何を大切にしたいか」

を考えてみるのがおすすめです。

例えば、

「自由」

「安心」

「家族」

「挑戦」

「自然」

「成長」

「人とのつながり」

「一人の時間」

「お金」

「美しさ」

「創造性」

「誰かの役に立つこと」

「穏やかさ」

など。

こうしたものの中から、

「自分は何を大切にしたいんだろう?」

と考えてみる。

例えば、

「自由」が大切なら、

毎日決まった時間に出勤する働き方より、

自分で時間を調整できる仕事が合うかもしれません。

「安心」が大切なら、

収入が不安定な働き方より、

ある程度安定した仕事を持ちながら副業をするほうが合うかもしれない。

「自然」が大切なら、

自然に触れられる環境で暮らすことが、人生の満足度に大きく影響するかもしれません。

このように、

価値観が分かると、自分に合う選択肢が見えやすくなります。


「何をしたいか」より「どう生きたいか」

人生を考えるとき、

「何をしたい?」

という問いは、とても具体的です。

「カメラマンになりたい」

「カフェをやりたい」

「会社を作りたい」

「YouTubeをやりたい」

など。

でも、

「それを通して、どんな人生を送りたい?」

と考えてみると、少し違った答えが出てくることがあります。

例えば、

「カフェをやりたい」

という人が、

「本当に欲しいのはカフェそのものではなく、人が安心して過ごせる場所を作ることだった」

ということもあります。

「会社を作りたい」

という人が、

「本当に欲しいのは、時間や場所を自分で選べる自由だった」

ということもあります。

「YouTubeをやりたい」

という人が、

「本当は、自分の考えを誰かに届けて、人の心を軽くしたい」

と思っていることもあります。

つまり、

「やりたいこと」は、自分が大切にしたい人生を実現するための手段かもしれません。

だから、

「何をするか」

だけを見るのではなく、

「その先で、どんなふうに生きたいのか」

を考えてみる。


自分が大切にしたいものを書き出してみる

自分の価値観を知るために、難しいことをする必要はありません。

紙やスマートフォンのメモに、

「自分が大切にしたいもの」

を書き出してみるだけでもいい。

例えば、

  • 自由
  • 安心
  • 家族
  • お金
  • 健康
  • 自然
  • 美しいもの
  • 成長
  • 人とのつながり
  • 一人の時間
  • 挑戦
  • 安定
  • 創造性
  • 誰かの役に立つこと
  • 心の穏やかさ

など。

思いついたものを、とにかく書いてみる。

そのあと、

「この中で特に大切なのはどれだろう?」

と、少しずつ絞っていきます。

さらに、

「なぜ、それが大切なんだろう?」

と考えてみる。

例えば、

「お金が大切」

だったとします。

でも、

「なぜお金が欲しいの?」

と考えていくと、

「贅沢したい」

ではなく、

「大切な人を守りたい」

「将来の不安を減らしたい」

「好きな場所に旅行できる自由が欲しい」

という、本当の願いが見えてくることがあります。

この「なぜ?」を何度か掘っていくと、

自分でも気づいていなかった価値観

が見えてくることがあります。


「好き」「得意」「大切にしたい」を分けて考える

人生の方向性を考えるとき、

「好きなこと」

「得意なこと」

「大切にしたいこと」

を一緒にしてしまうと、混乱することがあります。

例えば、

「写真が好き」

という人がいたとします。

でも、

写真を撮ること自体が好きなのか。

美しい景色を見ることが好きなのか。

人に写真を見てもらうことが好きなのか。

写真を通して誰かを感動させることが好きなのか。

それによって、向いている方向は変わってきます。

また、

「人と話すのが得意」

だからといって、

「人と話す仕事をしたい」

とは限りません。

得意だけど疲れることもあります。

逆に、

「まだ得意ではないけれど、大切にしたい」

ということもあります。

だから、

好き

「やっていると楽しい」

得意

「比較的うまくできる」

大切にしたい

「人生の中で守りたい」

この3つを分けて考えてみる。

そして、

「この3つが重なる場所には何があるだろう?」

と考えてみる。

そこには、自分に合った生き方のヒントが隠れているかもしれません。


「嫌なこと」から価値観を見つける方法もある

価値観は、

「好きなもの」

だけから見つかるとは限りません。

むしろ、

「これは嫌だ」

というところから見えてくることもあります。

例えば、

「人に細かく管理されるのが嫌」

なら、

「自由」が大切なのかもしれません。

「毎日同じことを繰り返すのが苦痛」

なら、

「変化」や「刺激」が必要なのかもしれません。

「人間関係のギスギスした職場が嫌」

なら、

「安心できる人間関係」が大切なのかもしれません。

「誰かの役に立っている実感がないのが嫌」

なら、

「貢献」が大切なのかもしれません。

だから、

「何が好きか分からない」

という人は、

「何が嫌なのか?」

から考えてみてもいい。

「嫌い」の中にも、

「本当は何を大切にしたいのか」

が隠れていることがあります。


人生の方向性は、一度決めたら変えてはいけないのか

「自分のやりたいことを見つける」

という話をすると、

「一度決めたら、それを一生続けなければいけない」

ように感じるかもしれません。

でも、そんな必要はないと思います。

20代の自分と、

30代の自分と、

40代の自分では、

大切にしたいものが変わることがあります。

以前は、

「とにかく成功したい」

と思っていた人が、

ある時から、

「穏やかに暮らしたい」

と思うようになることもある。

以前は、

「安定が一番」

だった人が、

「一度くらい挑戦してみたい」

と思うこともある。

これは、

「自分がブレている」

ということではありません。

人生を経験する中で、自分自身への理解が深まっている

とも考えられます。

だから、

「昔決めたことだから」

という理由だけで、自分を縛らなくてもいい。

今の自分が、

「何を大切にしたいのか」

を、その都度見つめ直していいのです。


「正解」を探すより、「納得できる選択」を増やす

人生に迷うと、

「正解はどっちなんだろう?」

と考えてしまいます。

転職するのが正解なのか。

今の仕事を続けるのが正解なのか。

都会に住むのがいいのか。

地方に住むのがいいのか。

会社員がいいのか。

自分で仕事をするのがいいのか。

でも、

人生には、最初から決められた一つの正解があるわけではありません。

ある人にとっての正解が、

自分にとっても正解とは限らない。

だから、

「どちらが正しい?」

ではなく、

「今の自分は、どちらを選んだほうが納得できそう?」

と考えてみる。

もちろん、選んだ結果、

「やっぱり違った」

となることもあります。

それでもいい。

その経験から、

「自分にはこっちのほうが合っていた」

と分かるからです。

人生の選択は、

一回で完璧な答えを出す試験ではありません。

選んで、

経験して、

感じて、

また選ぶ。

その繰り返しでもいいのです。


迷っている時間も、自分を知るための時間

「早く答えを出さなきゃ」

と思うほど、余計に分からなくなることがあります。

そんなときは、

「今はまだ分からない」

と認めてもいい。

迷っているということは、

それだけ自分の人生を真剣に考えているということでもあります。

「どっちでもいい」

と思っているのではなく、

「どちらも大切だから決められない」

のかもしれません。

だから、

迷っている自分を、

「優柔不断だ」

と責めなくてもいい。

時には立ち止まって、

「僕は本当は何を大切にしたいんだろう?」

と考える時間も必要です。

焦って出した答えより、

自分の中で少しずつ納得できた答えのほうが、

長い人生では大切になることがあります。


まとめ|人生の答えは、歩きながら見つけてもいい

「やりたいことが分からない」

「人生の方向性が見えない」

そんなとき、

「早くやりたいことを見つけなきゃ」

と焦らなくてもいいのだと思います。

まずは、

「自分は何を大切にして生きたいんだろう?」

と考えてみる。

「自由が大切」

「安心できる暮らしがしたい」

「人とのつながりを大切にしたい」

「自然の中で過ごしたい」

「誰かの役に立ちたい」

「自分の感性を表現したい」

そんな価値観が見えてくると、

「じゃあ、どんな仕事ならそれを実現できるだろう?」

「どんな場所で暮らしたいだろう?」

「どんな人たちと一緒にいたいだろう?」

と、少しずつ具体的な選択肢が見えてきます。

そして、

「やりたいこと」は、最初から完璧に見つけなくてもいい。

気になるものがあれば、やってみる。

違うと思ったら、やめてもいい。

やってみて好きになったら、続ければいい。

途中で価値観が変わったら、方向転換してもいい。

人生は、一度決めたルートを最後まで走り切らなければいけないものではありません。

そのとき、そのときの自分の声を聞きながら、

少しずつ進む方向を調整していけばいい。

だから、

「僕の本当にやりたいことは何だろう?」

と分からなくなったときは、

少し質問を変えてみてください。

「僕は、どんなふうに生きたいんだろう?」

その答えの中には、

あなたがこれから進んでいく方向を見つけるための、

大切なヒントがきっと隠れているはずです。

人生の答えは、

どこかに完成された形で置いてあるものではなく、

自分で歩いて、感じて、選びながら、少しずつ見つけていくもの。

迷っている今も、

その途中なのかもしれません。