ぼくが四年同棲した彼女と別れることになった理由は
「自分自身に稼ぐ力がないから」
と思ってきたし、そういう風に周りに言ってきた。
けどね、違った。
何となくわかってたけどね、そこには目を瞑ってた。見て見ぬふりをしてた。
別れ話の時に彼女が言った一言がずっと頭に残ってた。
その一言がずっと記憶の中にありながらも、それに蓋をして、ぼくはお金がなかったせい、お金を稼ぐ力がなかったせいにしてた。
その彼女の一言っていうのは
「最近あなたから愛情を感じなかった」
こんな一言。
ぼくはね、めちゃくちゃ好きだったし愛してた。
だからそれを聞いた時びっくりした。そんなはずは無いと、聞こえてたのに聞こえないふりをした。
というか何も言い返せなかった。
その言葉を浴びることしかできなかった。
多分、心の奥では理解してたんだと思う。図星だったんだと思う。
けど、自分の表面に出てきた感情は
「そんなはずない」
「大好きだからこんなに頑張ってるのに」
「なんとか稼ぐ力をつけようと頑張ってるのに」
「君と一緒にいるためにこんなにやってるのに」
「そんなぼくが愛情ないわけない」
「たしかに理由の一つではあるかもやけどそれが一番の理由じゃないだろ」
そう思ってた。
けどね、そんなぼくの状態って客観的にみてどうよ?
全然余裕ないの。
今ならわかる。
全っっっ然、余裕がない。
余裕がないと人ってどうなると思う?
自分以外の人のこと考えられんくなるの。
結局自分のことばっかり。
矢印が自分にしか向いてないの。
そんな状態だから、愛情が感じられないと言った彼女は正解だったんだよね。
正解っていうか、そう感じて当たり前って感じだよね。
だから結局、お金のせい、稼ぐ力がなかったせい、環境のせい、会社のせい、、、いろんなもののせいにしてたけど、
ぼく自身のせいでしかなかったんよね。
彼女と別れた後、すぐに離島に移住した。
「自分を一番幸せにするため」っていう名目で。
本気で思ってた。
フリーランスとして稼ぐ力をつけようと大阪で必死に頑張ってたけど芽が出なかったぼく。
かといって都会でまた就職するってのは考えられなかった。
だから田舎だったら就職しても消耗しないんじゃないかという今思えば謎理論をひっさげて移住した。
でも当時は「移住すれば幸せになれるかも」本気でそう思ってた。
何となく現状の自分ができることで就職して、のんびり暮らせたら精神的に余裕も出て幸せになれるんじゃないかと思って移住した。就職した。
けど違った。
ぼくにとってのんびりすることが精神的な余裕に繋がるわけじゃなかった。
幸せに繋がるわけじゃなかった。
だってもし、それが幸せにつながっているなら、毎日のように仕事終わりとか始まる前に海に行ってぼーっとしてるはずやもん。
けどね、行ってない。
たんまーにいくことはあるけど、行ったからといって、それでめちゃくちゃ幸せ感じるわけじゃないし、精神的な余裕につながってるわけじゃない。
心のどっかで焦りがある。
それを誤魔化して、応急処置をしてるだけ。つぎはぎがどんどん重なっていってるだけ。
こんな状態じゃダメだ。
こんな状態じゃまだまだ自分以外の人のことを考えられない。
ここにいて、めちゃくちゃ素敵なひとと出会ったとしても、結婚できない。
踏み切れない。
前の自分と同じだ。
結局、環境を変えれば変わるかなとか、外部要因のせいにして、外部要因に期待して、自分は何も努力して変わろうとせず甘えてるだけだった。
そうじゃないだろ。
甘えるな。
自分の内側を、根本を変えなきゃダメだろうが。
結局自分が変わらないと、どこにいても同じだ。
変われ。
なんか「離島移住」っていうさ、一風変わったことをして、周りから「なんかUGさんって満たされてんなー」「余裕あるなー」っていうふうに見られたかったんだよね。
そんな自分を演じてたんだよね。
表面的だね。
つぎはぎつぎはぎ。
もうやめようよ。それ。
うん、やめよう。
いいかげん進めよ。
な。
がんばれ!