「ありのままの自分で生きたい」

そんな言葉を聞くことがあります。

周りの目を気にせずに生きたい。

人から嫌われることを恐れずにいたい。

無理して「いい人」を演じたくない。

自分の好きなことを大切にしたい。

もっと自分らしく生きたい。

そう思うことはあっても、

実際に「ありのままの自分で生きる」というのは、

なかなか簡単ではありません。

仕事では、

「ちゃんとしなきゃ」

と思う。

人間関係では、

「嫌われないようにしなきゃ」

と思う。

恋愛では、

「好かれる自分でいなきゃ」

と思う。

SNSでは、

「人からどう見られているんだろう」

と気になる。

気づけば、

「本当の自分」よりも、

「人から見た自分」

を意識して生きている。

でも、

もしそんな毎日に少し疲れているのなら、

一度立ち止まって、

「そもそも、ありのままの自分って何なんだろう?」

と考えてみてもいいのかもしれません。


「ありのままの自分」とは、好き勝手に生きることではない

「ありのままに生きる」

という言葉から、

「自分の好きなことだけをする」

「嫌なことは全部やらない」

「周りの人のことを気にしない」

というイメージを持つことがあります。

でも、

僕はそれだけではないと思っています。

人間は、一人で生きているわけではありません。

仕事をすれば、

一緒に働く人がいる。

家族がいれば、

家族との関係がある。

恋人がいれば、

恋人との関係がある。

社会の中で生きる以上、

自分の気持ちだけを優先するわけにはいかないこともあります。

だから、

「ありのまま=何でも好き勝手にする」

ではない。

むしろ、

「自分の気持ちや価値観を無視せずに、人との関係も大切にしながら生きる」

ことなのではないでしょうか。

自分を大切にする。

でも、相手も大切にする。

自分の意見を持つ。

でも、相手の意見も尊重する。

その間にある、

ちょうどいい場所を探していく。

そんな生き方なのかもしれません。


「人からどう思われるか」が気になるのは自然なこと

「人の目なんて気にしなければいい」

と言われても、

なかなかそうはいきません。

嫌われたくない。

変な人だと思われたくない。

失敗したところを見られたくない。

否定されたくない。

認められたい。

そう思うのは、

決しておかしなことではありません。

人間は、

人とのつながりの中で生きていく生き物です。

だから、

「人からどう思われるか」

を気にすること自体が悪いわけではありません。

問題なのは、

「人からどう思われるか」だけで、自分の人生を決めてしまうこと

なのだと思います。

「本当はやりたいけど、笑われそうだからやめる」

「本当は嫌だけど、嫌われそうだから断れない」

「本当は違うと思うけど、みんながそう言うから合わせる」

そんな選択が積み重なっていくと、

少しずつ、

「自分は何がしたいんだろう?」

「自分は何が好きだったんだろう?」

と分からなくなってしまいます。


「嫌われない自分」より「納得できる自分」を目指す

人から嫌われないように生きることには、

一つ大きな問題があります。

どれだけ頑張っても、全員から好かれることはできない

ということです。

どんなに優しい人でも、

合わない人はいる。

どんなに正しいことをしていても、

反対する人はいる。

どんなに丁寧に生きても、

誤解されることはある。

つまり、

「誰からも嫌われない自分」

を目指すと、

永遠にゴールへたどり着けません。

だから、

「みんなに好かれる」

ではなく、

「自分が納得できる生き方をしているか」

を少しずつ大切にしてみる。

もちろん、

人を傷つけてもいいという話ではありません。

自分の言動を振り返ることは必要です。

でも、

「誰かに嫌われる可能性があるから」

という理由だけで、

自分の気持ちを全部捨てなくてもいい。

誰かに嫌われることより、

自分自身に嘘をつき続けることのほうが苦しくなる場合もある

からです。


「いい人」でいなくてもいい

「いい人」と言われるのは、

嬉しいことです。

優しい。

親切。

気が利く。

頼りになる。

そう思ってもらえるのは素敵なことです。

でも、

「いい人でいなければ」

と思い始めると、

少し苦しくなります。

本当は嫌なのに、

「いいよ」と言う。

疲れているのに、

人のお願いを優先する。

言いたいことがあるのに、

相手を傷つけないように全部飲み込む。

そして、

「こんなに頑張っているのに、誰も分かってくれない」

と疲れてしまう。

優しさは、

自己犠牲とは違います。

断ることもできる。

怒ることもできる。

「それは嫌だ」と言うこともできる。

それでも、

優しい人でいることはできます。

自分を犠牲にしなくても、人に優しくすることはできる。

このことを覚えておくだけでも、

人との関係は少し変わるかもしれません。


自分の「本音」に気づく

ありのままの自分で生きるためには、

まず、

自分が何を感じているのか

に気づくことが大切です。

例えば、

「今日は楽しかった」

だけではなく、

「何が楽しかったんだろう?」

と考えてみる。

「仕事が嫌だった」

なら、

「何が嫌だったんだろう?」

と考えてみる。

人間関係なのか。

仕事内容なのか。

働く時間なのか。

自由がないことなのか。

評価されることなのか。

逆に、

「嬉しかった」

「安心した」

「ワクワクした」

「モヤモヤした」

「寂しかった」

という感情にも、

自分を知るためのヒントがあります。

感情は、

自分の内側から届く小さなメッセージ

とも考えられます。

だから、

「こんなことを感じちゃダメ」

とすぐに否定するのではなく、

「今、自分はこう感じているんだな」

と気づいてみる。

それだけでも、

自分との距離が少し近くなります。


「本当の自分」を一つに決めなくていい

「ありのままの自分」

という言葉を考えると、

どこかに、

「本当の自分」

という一つの完成されたものがあるように感じるかもしれません。

でも、

人間はそんなに単純ではありません。

優しい自分もいる。

怒っている自分もいる。

自信がある自分もいる。

自信がない自分もいる。

挑戦したい自分もいる。

何もしたくない自分もいる。

人と一緒にいたい自分もいる。

一人になりたい自分もいる。

そのどれも、

自分です。

だから、

「どれが本当の自分なんだろう?」

と決めなくてもいい。

矛盾した気持ちがあってもいい。

「自由になりたいけど、安定も欲しい」

「人と関わりたいけど、一人の時間も欲しい」

「お金は欲しいけど、お金だけの人生にはしたくない」

そんな矛盾も、

人間らしさなのだと思います。


ありのままの自分を「好き」になれなくてもいい

「自分を好きになりましょう」

という言葉があります。

もちろん、

自分を好きになれたら素敵です。

でも、

どうしても好きになれない部分があるときもあります。

自信がない。

見た目が気に入らない。

過去の自分が嫌い。

性格の嫌なところがある。

そんなとき、

無理やり、

「私は自分が大好き!」

と思わなくてもいい。

まずは、

「好きではないけど、否定するのはやめてみよう」

くらいでもいいのではないでしょうか。

「こういうところが自分にはあるんだな」

と認める。

「今はこう感じているんだな」

と気づく。

「これから少し変えていこう」

と思う。

それくらいで十分です。

自己肯定感というのは、

「自分のすべてを大好きになること」

だけではありません。

好きになれない自分も含めて、自分を見捨てないこと。

それも、

自分を受け入れるということなのだと思います。


「ありのまま」は、変わらないことではない

ここは、

「ありのまま」を考えるうえで、

とても大切なところです。

「ありのままの自分でいる」

というと、

「今の自分を変えない」

という意味に感じるかもしれません。

でも、

人は変わります。

考え方も変わる。

価値観も変わる。

好きなものも変わる。

付き合う人も変わる。

住みたい場所も変わる。

やりたい仕事も変わる。

だから、

「昔の自分らしさ」を守り続ける必要はありません。

今の自分が、

「こうなりたい」

と思うなら、

変わっていい。

髪型を変えてもいい。

仕事を変えてもいい。

住む場所を変えてもいい。

付き合う人を変えてもいい。

新しいことを始めてもいい。

それも、

そのときの自分の本音に従っているなら、ありのままの自分でいること

なのだと思います。

「ありのまま」とは、

変化しないことではなく、

変化していく自分も、その時々で受け入れていくこと

なのかもしれません。


自分の人生を、自分で選んでいる感覚

ありのままに生きるために、

「何をするか」以上に大切なのが、

「自分で選んでいる」という感覚

なのだと思います。

周りに言われたから。

普通はそうするから。

親がそう言ったから。

みんながやっているから。

世間ではそれが正しいから。

そうやって選択していると、

うまくいっている間はいいかもしれません。

でも、

何か問題が起きたとき、

「自分の人生なのに、自分で選んでいない」

という感覚が残ることがあります。

だから、

小さなことでもいい。

今日何を食べるか。

休日をどう過ごすか。

誰と会うか。

何にお金を使うか。

どんな仕事をするか。

どこに住むか。

一つ一つの選択の中で、

「自分はどうしたい?」

と問いかけてみる。

もちろん、

いつも自分の希望どおりにできるわけではありません。

でも、

「自分はどうしたいのか」を一度考えること

には意味があります。


ありのままの自分で生きるために、今日からできること

いきなり人生を大きく変える必要はありません。

まずは、

小さなところから始めてみる。

例えば、

「本当はどうしたい?」と一度考える

何かを決める前に、

「自分は本当はどうしたい?」

と自分に聞いてみる。

小さな「NO」を言ってみる

無理なお願いに、

「今日は難しいです」

と言ってみる。

好きなものを大切にする

周りの評価ではなく、

「自分はこれが好き」

というものを一つ大切にしてみる。

一人の時間を持つ

誰かの意見から少し離れて、

自分の感覚を取り戻す時間を作る。

自分の感情を書いてみる

「今日、嬉しかったこと」

「嫌だったこと」

「本当はどうしたかったか」

を書いてみる。

こうした小さな積み重ねによって、

少しずつ、

「自分は何を大切にしたい人間なのか」

が見えてきます。


まとめ|ありのままの自分とは、自分を置き去りにしないこと

「ありのままの自分で生きる」

というのは、

好き勝手に生きることではありません。

人から嫌われないようにすることでもありません。

何も努力しないことでも、

自分を変えないことでもありません。

自分の気持ちを無視しない。

自分の価値観を大切にする。

嫌なことには「NO」と言う。

好きなものを「好き」と認める。

弱い自分も否定しない。

そして、

「こうなりたい」

と思ったら、

変わっていってもいい。

それも含めて、

自分の人生を自分で選んでいく。

そんな生き方なのではないでしょうか。

もしかすると、

「ありのままの自分」というのは、

どこかに存在する「本当の自分」を探し当てることではないのかもしれません。

今日の自分が感じていること。

今、大切にしたいと思っていること。

これからやってみたいこと。

そして、

今まで生きてきた中で感じてきたこと。

それらを一つずつ受け止めながら、

「じゃあ、自分はどう生きたい?」

と問い続ける。

その積み重ねそのものが、

「自分らしく生きる」

ということなのかもしれません。

誰かの人生を生きなくていい。

誰かにとっての「正解」を、

自分の人生にそのまま当てはめなくてもいい。

もちろん、

迷ってもいい。

間違ってもいい。

途中で方向を変えてもいい。

それでも、

「自分の人生を、自分の足で歩いている」

という感覚を少しずつ取り戻していく。

そんな生き方ができたら、

人生は今より少し、

静かに、自由になるのかもしれません。

そして何より、

ありのままの自分で生きるということは、完璧な自分になることではなく、不完全な自分のままでも、自分自身と一緒に生きていくこと。

僕は、そんな生き方を大切にしたいと思っています。