こんにちわ、こんばんは。UGです!
ボルダリングの魅力の一つに「外岩に行く」というものがあります。
普段クライミングジムで登っている方の多くが最終的にここに行き着いている気がします。
もちろん、「おれは室内犬やからなー!チワワみたいなもんや!」と言って、外岩には行かないというスタイルの方もいらっしゃいます。
それは人それぞれ。
かくいうぼくは外岩の魅力にどっぷりハマっているうちの1人です。笑
上の写真は沖縄の岩を登りに行ったときのもの。
全国津々浦々、いろんな岩を登りに行っています。
そんなぼくが、外岩初心者のあなたに外岩の魅力や気をつけたいことなどを全力でお伝えしようと思います!!
外岩とは?
さっきから「外岩外岩」と言ってますが、「外岩」とはなんぞやと思っているあなたに説明します。
外の岩
「外の岩」です。
はい、すみません、手抜きすぎました。笑
詳しく説明すると、外岩の「外」とはジムの「室内」に対して「外」ということです。
「内岩」がある訳ではありません。
「外岩行きたいわ〜」とか、単純に「岩行きたいわ〜」と言う人もいます。
「ボルダリング」の語源と深い関わり
「外岩」は「ボルダリング」という言葉の語源と深い関わりがあります。
ボルダリングはアルファベットで書くと「Bouldering」で、このingを取った「Boulder」とは「大きな岩」という意味です。
つまり「ボルダリング」とは元をたどれば「大きな岩を登る行為」ということです。
「もともと岩を登っていた人がその練習としてジムを作り、室内でも登るようになった」という歴史的背景が見えますね。
という訳で、この記事の冒頭で「最終的に外岩に行き着く」と書きましたが、これはまさしく本来の姿に戻っていると言うことが出来ます。
でも面白いですよね。
元々は「岩を登る」→「ジムで登る」という順番だったのに、最近は「ジムで登る」→「岩を登る」という順番になっています。
外岩は危険?安全?
「え?ほんものの岩も登るの?しかも命綱なしで!?危なくない!!?」
ぼくが実際にボルダリングをやったことがない友達に言われた一言です。
クラッシュパッド(マット)を敷いて危険回避
外岩でのボルダリングではクラッシュパッドと呼ばれる安全確保のためのマットを敷きます。
岩場の下地そのままの状態で登っていて万が一落ちた場合、さすがに危険だからです。
登る岩はせいぜい3〜4m
ボルダリングの経験がない方が「岩を登る」と聞くと、どうしても何十メートルもあるような岩壁をイメージするようです。
たしかにそういったものもあります。
ルートクライミングといって命綱ありで何十メートルも登るスタイルや、命綱なしで登るフリーソロというスタイルがそうです。
しかし、「ボルダリング」では命綱をつけない代わりに、登る岩はせいぜい3〜4mです。
例外的に3〜4m以上の岩を登ることもある
ただ、例外的にそれよりも高い岩を登ることがあります。
上でもチラッと出てきましたが、登る岩のことを「Boulder(ボルダー)」と言います。
そして例外的に高いものを「Highboulder(ハイボルダー)」と言います。
「ハイボル」とか「ハイボール」と略すのが一般的。
何m以上がハイボルだという決まりは特にないのですが、ぼく個人的には5mぐらいから「おぉ、高いな。」と感じます。
ハイボルを登るときはクラッシュパッドを多めに用意し、普段より厚めにかつ広い範囲をケアできるようにするのが望ましいです。
スポット
クラッシュパッドを敷いていても、
- 落下地点の読みが甘くマットが無いところに落ちそうになったり
- マットの上に落ちることが出来ても着地の瞬間体勢を崩して場外に行きそうになったり
- すっぽ抜けなどの不意落ちで受身がとれないような体勢で落ちたり…
と、安全が保証される訳ではありません。
そこで、クライマーがこういった危険な落ち方をしてきた時に、手を差し伸べて適切にマットの上に落ちるようにしてあげることを「スポット」と言います。
その「スポット」をする人のことを「スポッター」と呼びます。
スポットはただ手を差し伸べるだけではありません。
落ちてくる場所、体勢を予測し、それに対するマットや自分の位置取りをいかに適切に選択できるかという能力が必要になります。
けっこう技術的なものなので、初めのうちは外岩に慣れた人と一緒に行って、そういったことを教わりながら登るのがいいと思います。
そしてこの外岩に慣れた人がスポッターのときの安心感は半端じゃないです。
それだけこの「スポット」というものが、外岩でのボルダリングの安全性において重要な役割を担っていることがわかります。
外岩に行くときの持ち物は?
外岩でのボルダリングでは様々な安全対策があることはお分かりいただけたと思います。
ではいざ行くとなったときには何を持って行けばいいのでしょうか。
クライミングシューズ
これは当たり前ですね。
優先順位で言えば1番と言っても過言ではありません。
裸足で登る有名なクライマーもいますが、あれは相当な変わり者か相当な足の強さが必要です。我々は大人しくシューズを履いて登りましょう。
ちなみにぼくは岩に行くのにシューズを忘れたことがあります。笑
優先順位1位のシューズをです。
岩場に着いてから気づきました。
その日は大人しく帰…りませんよ!取りに帰って再び岩場に行きました!笑
往復一時間ぐらいの近場だったのでまだよかったのですが、自分にびっくりしましたね。笑
チョーク(チョークバック)
これもほぼ必須です。
まぁ滑り止めですね。
ただ、勘違いしてはいけないのがチョーク自体は滑り止めではないということ。
チョークの主成分は炭酸マグネシウムで、これは吸水性に優れています。
そしてそれを手につけて登ることで、手から出る汗を吸収してくれて結果的に汗で滑ることを低減してくれるということです。
ちなみに、滑り止めの成分が入ったチョークもあります。
ロジン(松ヤニ)入りのチョークです。
しかし、これは岩に付くと取れにくいため使用するのは控えてください。
また、チョークには「ティックマークをつける」という使い方もあります。
ティックマークってなんや?と思いましたよね?
簡単にいうと目印です。
岩となるとジムのようにわかりやすくホールドがあるわけではありません。
そこで、岩にラインを引くなどして取り先をわかりやすくします。
その目印が「ティックマーク」です。
トライ中に正確な位置に手を出す補助的な役割をしてくれるのです。
クラッシュパッド(マット)
先ほども出てきた安全確保のためのマットですね。
安くてもだいたい3万円ぐらいはします。
すこし高いお買い物な気もしますが、上記2つとこれさえあればほぼ外岩の装備は完了です。
ゴルフとか他のスポーツのことを思うとめちゃくちゃ安上がりだと思いませんか?
奥様に財布を握られているならこの諭し方、おすすめですw
そして何よりも安全に関わるツールですのでケチらずに投資しましょう。
持ち運びの際はリュックサックのように背負えるものがほとんどです。
クラッシュパッドを背負っているのを初めて見た一般の方にはたいがい驚かれます。
「なにその大きな荷物!!?」って。笑
外岩のあるエリアにはハイカーの方がいたりするところもあるので、そういったところに行くとちょくちょくそんなことを聞かれます。笑
その度に「クライミング用の安全マットで…」と説明します。
でもそれも交流。ハイカーの方とそんな話をするの嫌いじゃないです。
異文化コミュニケーションですね!笑
ブラシ
岩についたチョークを落とすのに使います。
岩場でのブラッシングの目的はいくつかあります。
- 自分のためにブラッシング
ジムでもホールドのブラッシングをすると思いますが、あれと同じです。
トライを重ね、ホールドにチョークが溜まっていくと逆に滑りやすくなってしまいます。
- 他のクライマーのためにブラッシング
岩から帰る際、次にトライするクライマーのためにブラッシングをします。
というのもオンサイトを狙っているクライマーにとってはチョーク跡というのは軌跡が見えてしまうことになり、邪魔な存在です。
もしくはホールドを自分で探しながら登ることに楽しみを見出しているクライマーの方もいます。
そんな方達にとってはチョーク跡は邪魔なのでブラッシングをします。
上記の、自分でつけたティックマークを残したまま帰るなんてのはもってのほかです。
基本的に一度でも触ったものはブラッシングするようにしてます。
- クライマー以外の人のためにブラッシング
ハイカーの方などは自然の景観を楽しみに来られます。
そういった観光地などにある岩場では、岩についた白いチョーク跡が景観を損なっているなどのクレームがあることもあります。
以上のようにこれはマナーにもつながるアイテムなので必ず持って行きましょう。
ちなみにぼくはブラッシングするときは心の中で(今日もありがとう)と言いながらブラッシングをしてます。
外岩のマナー
目当ての岩に先客がいたら「ご一緒させていただいてもいいですか?」
外岩に行くときはあらかじめどの岩のどの課題をやりたいかを決めて行くことが多いと思います。
その際、先に目当ての岩をトライしている人がいれば「ご一緒させていただいていいですか?」と確認しましょう。
他人のマットを使わせてもらうときは「マットお借りします」
そうして先客の方と一緒にトライさせてもらうことになったとき、すでにマットが敷かれていると思います。
そのマットを使わせてもらう際には「マットお借りします」と一声かけてからマットの上に乗るようにしましょう。
このとき、アプローチシューズのままや裸足で乗るのは避けたほうがいいです。
泥がつく可能性があったり不衛生な感じがして、あまり印象が良くないからです。
マットの場外や自分のマットの上でクライミングシューズを履いてから使わせてもらいましょう。
連続トライは厳禁
外岩ではジムのように課題がまとまって豊富にあるわけではありません。
ひとつの岩に大勢の人がひしめく状況になることがあります。
そんなときは何度も続けてトライするのはやめましょう。
まぁこのあたりはマナーというよりは人として当たり前のことですね。
最後はブラッシングを忘れない
持ち物のブラシの項目でも書きましたが、他のクライマーのためや自然保護の観点から、トライしていた課題のチョークは落としてから帰りましょう。
人気の課題ではブラッシングをやってもやってもチョークが落ちないものもあります。
だからといって適当にするのではなく出来る限り落とすように心がけてください。
外岩の魅力
なんだかんだと固い話をしてきましたが、外岩にはなんとも言い難い魅力があります。
その「言い難い魅力」をなんとか言葉にしてみようと思います。
自然最高!
なんといってもこれだと思います。
ジムに無くて外岩にあるもの。それは大自然!!
日頃都会で登ったり仕事をしているアーバンクライマーにとって、自然というものは何物にも代えがたいリフレッシュ効果をもたらしてくれます。
ひんやりとした岩の触感、木々が揺れる音、木漏れ日、川の音、虫の声、夕焼け…考えただけで最高です。
あと、やはり自然の中で食べるご飯は最高に美味しいですね!
そして気の合う仲間とムーブについて議論を交わしながらのセッション。
それで試行錯誤をしながら完登できたときの喜びはひとしおです。
岩の上に立つ喜び
これは完登者のみに与えられたご褒美のようなものです。
バラしや、裏から回り込んで完登前に岩の上に立つこともできますが、ぼくは極力完登するまで岩の上には立ちたくありません。
完登前に一度立ってしまうと喜びが半減するからです。
試行錯誤してムーブを組み立て、何度も何度も落ち、なんとか岩を保持して…そうして岩の上に立ったときのあの景色。
あれはまさに絶景。
あなたにもぜひ味わっていただきたいです。
初めましての人とでも共通の岩の課題の話で盛り上がれる
例えばぼくは大阪在住なのですが、愛知県の豊田というエリアにある「蛇の目」という課題を触っていた時期がありました。
そして大阪のホームジムで登っていたある日、愛知県から来たというクライマーの方がいました。
そこで「蛇の目」の話をすると、その方も触ったことがあると言いました。
はい、もう一瞬で会話の熱量が上がりました。
こういった感じで、初対面の方とも会話のネタに困ることなく、というかむしろめちゃくちゃ盛り上がれます。
ものすごく遠くに住んでいる方とも岩を通して繋がれるというのは、まぎれもない魅力の1つだと思います。
まとめ
はい、ここまで色々と書いてきましたがいかがでしたでしょうか?
たしかに外岩は自然が相手なので危険なこともあります。
しかしそういった場合、ほとんどが油断したり舐めてかかったりしているときだと思います。
大自然と真摯に向き合い遊ばせてもらうことで、人間本来の姿というか、自分があるべき姿も考えさせてもらえるものだとぼくは思います。
岩の魅力にどっぷりハマっているUGでした!
では、最後まで読んでいただきありがとうございます!!